息子に会う
その日の午後。
看護師さんがやって来て言った。
「赤ちゃんに会いますか?」
「会いたいです!」
私は即答した。
まさか赤ちゃんに会えるなんて思ってもいなかった。
はるに会いたい。
本当にただそれだけ。
はるに会う事に何の躊躇いもなかった。
ガラガラと音を立てて、新生児用のベットに寝かされ病室に連れて来られたはる。
黄色の帽子と白い服を着せて貰ったその姿を見た瞬間。
可愛い、と思った。
涙が出た。
「抱っこしてみますか?」
尋ねた看護師さんに頷いて、恐る恐る抱いてみる。
抱っこ初心者のママ。
見よう見真似、母親学級で習った事を思い出しつつはるを腕に抱く。
重かった。
予想以上に重かった。
同時になんだか信じられなかった。
お腹の中ですくすくと育っていたはる。
私は1980gという未熟児として生まれた。
そんな私を超え、とうとう2000gを超えた時、
「とうとう2000gを超えた!ママを超えたよ!」と、LINEで旦那に報告し、自分でもおおいに喜んだのを今でも鮮明に覚えている。
こんなに大きな子が私のお腹の中に居たなんて……
可愛くて可愛くて愛おしくて。
重くて、命の重さが腕にのしかかるようで。
申し訳ないという感情が湧き上がって。
また泣いた。
ちゃんと産んであげたかった……
本当に、本当にごめんね……
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その時に旦那に送ったLINEの内容。
『はむちゃんに会ったよ。
唇の薄さはパパそっくりだった。笑』
『確かに。笑
これから行くから3人で少し過ごそう』
『了解。
じゃあ、一回看護師さんに戻して貰うね』
この時、我が子に会った時間はおよそ30分位だった。