2019/3/10 妊娠34週で息子を死産

今はただ、もがくしかってない

退院の日 ⑦3人で帰宅

「帰って来たね。ここが我が家だよ」

夜、はると一緒に自宅に帰って来た。
初めての我が家。
そして、今日が最初で最後の我が家である。

ドライアイスで冷やしている為、当然ながら暖房は付けられない。

連日のドタバタで散らかった部屋を片付ける傍ら、はるはパパと一緒にソファーに横になり、一緒にテレビを見ていた。
自宅で過ごすパパと息子。なんだか微笑ましかった。

それから、買って来た服を着せてあげた。
雑誌の付録で付いて来た可愛い肌着と買って来た真っ白なベビードレスを着せてあげる。

可愛かった。天使というのも頷けた。
けれどもやっぱり、パパが買って来てくれた水色の服の方がしっくり来て、もう一度お着替え。
うん、やっぱり君はこっちが似合う。

それから、写真を撮り、思う存分抱っこしてあげた。
本当は一晩中、抱っこしていてあげたかったが、はるの現状、そして明日の体力等を考えると、どうしてもそういう訳にはいかず。
そっとはるを棺の中に戻す。

「大丈夫。ママ、すぐ傍に居るから」

声を掛けて身体を撫でて、そっと棺の蓋を閉めた。
少しだけ、2時間程眠った。