現実
目が覚めた。
今度は違う無機質な天井。
両親と義両親がいた。
ベットに寝かされ、動けない私。
父はそっと私の傍に来て、何も言わずに手を握ってくれた。
「よく頑張った」
言った父は泣いていた。
続いて母が私の手を握る。
その手を強く握り返しながら、私は泣いていた。
「旦那は仕事に行ったけど、夜にはもう一回来るから」
義両親からそう聞いた。
そこまでの記憶はある。
その後の記憶は曖昧だ。
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長い長い夜。
そこからの記憶は酷く曖昧だ。
覚えているのは、ベットに寝かされ、沢山の管と点滴に繋がれ、酸素マスクをしていて、ほとんど動けなかった事。
夜中、暗く静かな室内で、繋がれた機械が点滅していて。
傍にあった机には、小さな置き時計と吸い飲みが置いてあって。
僅かに眠っては起きて、2時間ごとに来る看護師さんに水を飲ませて貰っていた事くらい。
あとは何も分からない。
身体もほとんど動かなかった。