2019/3/10 妊娠34週で息子を死産

今はただ、もがくしかってない

2019/03/09.①

まだ日が浅いとはいえ、あの日を思い返すのはかなりの痛みを伴う事になる……
だけど、書かなきゃ。書かなきゃいけない。
忘れない為に。
まだ記憶が新しいうちに。
そんな使命感のようなものを何故だが無性に感じている自分がいる。
たぶんきっと、分かってるんだ。
前を向くには、きちんと向き合うしかってないんだって事を。

2019/03/09.
その日は至って平穏で平凡な、何気無いいつも通りの土曜日だった。
仕事へ旦那を送り出してから、いつものように朝食を食べ、妊娠中に良いと言われた葉酸のサプリを飲んで洗濯機を回す。
どういう訳か、数日前から洗濯機の調子が悪くこの日は朝からずっとエラーが出ていた。
何度も電源を入れたり切ったり、電源コードを抜いたり差したり。
正直朝からかなり苛々していた。

ようやく洗濯機が元に戻り、洗濯をして昼食を食べ、少し休憩しようと横になる。
けれどもなんとなく眠れず、ここ数日、家に引き篭もりっきりで外に出ていなかった為、久々に近くのコンビニまで行ってみる事にした。
3月始め。東北の冬はまだまだ寒い。
けれどもその日は日差しもあって、少しだけ春の気配を感じられる良い昼下りだった。

もうすぐずっと暖かくなる。
そしたら息子と一緒に近くの公園に散歩に行って。一緒に遊んで。家族3人で色んな所に出掛けたりして。
早く春にならないかな、なんて、思いながら歩いてた。

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旦那の帰宅後、一緒に夕食を食べ、旦那の仕事を手伝う。

いつもなら夕食の洗い物を済ませたら、
テレビを見ながらお腹に手を当てて胎動を感じたり、話し掛けたりしながら就寝までゆっくりと過ごすのだが、
この時はたまたま旦那の抱えている仕事を私も一緒に手伝っていた。

仕事はパソコンでの作業。
作業中はそれなりに集中する為、ほとんど気付かなかったが、ひと段落ち着くと腰に異様な痛みを感じた。
とはいえ、PCでの作業は座りっぱなし。
妊娠9ヶ月でお腹もかなり大きく、姿勢も前傾になっていた為、そのせいだろうと思ってその時はあまり気にしてはいなかった。

「今日はあんまり構ってあげられなくてごめんね」

いつもなら欠かさない筈の胎動のチェックやお腹に手を当てての話し掛け。今日はあんまり出来なかったなとお腹を撫でて謝りつつ、お風呂に入る。

お風呂に入りながら、気付いていた。
なんか胎動がないような気がする……と。

「なんか胎動が無いような気がする……」

お風呂から上がり、一応旦那に言ってみる。

「そうなの?」

旦那はお腹に手を当てて「おーい、どうしたのー?」と呼び掛ける。
そしていつものようにお腹に耳を当てて反応を待つ。
やはり反応が無い。

この時の私も旦那も、胎動が無い事を気に掛けつつも、こういう日もあるのかな、なんて思っていた。

ここがきっと運命の分かれ目。
この時点でもっとちゃんと異変を捉え、すぐさま病院へ行っていたのならば、もしかしたら息子は助かったのかもしれない。